【BL感想】『キス』(一穂ミチ著)を読んで
一穂ミチ先生の『キス (ディアプラス文庫)』を読んだ感想を書いていきます。
※ネタバレ注意
切ないけど好きな要素が多い
要素要素、場面場面を切り取ると他作品にはない魅力があふれている作品です。
幼なじみ、田舎町、女キャラクターの立ち位置、オレ様、言い伝え。
宝石を散りばめたような魅力的な設定と、キスをするシーン、告白するシーンなど、印象に残る場面の数々。
メインキャラクターの関係は『藍より甘く』を思い起こします。
引っ込み思案で内向的な男の子と、外向的でオレ様な男の子という非常に対象的な性格。
内向的な主人公が活発でリーダーシップのある友人に引っ張られて、外の世界に駆け出していくというところに非常に共感しました。
後半の展開
そのぶん、後半の展開があまりにも切なくてしんどい。『meet, again. (ディアプラス文庫)』に通ずるような残酷さを感じます。
前半で物語にのめり込みすぎたせいで、最初読んだときは気持ちが離れそうになりました。
でもやっぱり要所要所に鋭くまぶしい輝きがあって好きな作品。