【BL感想】『デッド・スポット』(五百香ノエル著)を読んで
五百香ノエル先生の『デッド・スポット 幼馴染み冒険隊 デッド・スポット 幼馴染み冒険隊 (キャラ文庫)』を読みました。
幼馴染×少年BL×冒険
はい。久しぶりに自分のなかでヒットした作品です。
この作品は、著者のあとがきに書いているように、『スタンド・バイ・ミー』や『グーニーズ』のような幼馴染たちのミステリー冒険ものに、BLをかけ合わせた感じの物語です。
スタンド・バイ・ミーのような、ガキンチョ同士が集まって何やらやたら大人びた会話をして(でもかっこいい)、なにやらちょっぴり悪さをする
という、あの特有の世界観が好きな人はぜったいに楽しめます。
キャラクターが6人とけっこう多いのですが、それぞれにお約束な個性や役割がありますし、
(悪ガキ、気の強い女の子、おっちょこちょい、優等生……etc)
でもBLだけあって、小学生なのに一人一人かっこいいという。(後に中学生になります)
個人的には子どものころにハマって読んでいた『パスワードに気をつけて』シリーズを思い出して、懐かしい気持ちになり、のめり込んで読みました。
トム・ソーヤも好きだったなあ。
昔を思い出すキャラクター
それから、もう一つの好きな理由。
この作品、メインキャラクターの性格や外見の設定、恋心に悩む姿など、いろいろひっくるめて、昔の耽美系を彷彿とさせるものがあります。
『風と木の詩』『トーマの心臓 』や、栗本薫先生の作品あたり。
キャラクターは、とにかく人形のような美形ですし、『幼馴染』という設定もあってか、関係性にガラスのような美しさを感じます。
文体も、なにかとお美しい。
(発行日は1999年のようなので、JUNEよりだいぶ後の作品かなと思いますが。どうなんだろう。)
これが『少年少女冒険もの』というジャンルに引き続き、私がこの作品を好きな2つ目の理由です。
あんまり見ないような
こういった少年少女冒険ものってあんまり見かけない気がしますね。
同じミステリーというジャンルでも、大人向けの探偵・警察BLものはそれこそ山のようにありますが。探せばあるのかもしれませんが。
ジャンルでいえば、私は完全にこっちのほうが好みなんですがねえ。映画観るのにハマったきっかけも『スタンド・バイ・ミー』でしたし。
これでBLやっちゃうと、やっぱり年齢的に引っかかるからか。まあそこはねえ。読んでても「あれ?これ大丈夫か」とは思うけれども。
わりとそこは「これはファンタジー」と割り切って客観的に読めば、なんとかなるというか。