【BL感想】ムーンライトマイルを読んで
一穂ミチ先生の『ムーンライトマイル (ディアプラス文庫)』を読んだ感想を書いていきたいと思います。
素朴でかわいい2人
この作品の良いところは、素朴さ。
壮大で遠く離れたものではなく、身近な親しみやすさのようなものを味わえるところです。
大きな夢を追い求めるのではなく、そばにある小さな幸せを味わっていたり、遠くのキレイなものより、身近なものを選んだり。
キャラクターの設定も、かなりのイケメンだけど手の届かないレベルの完全さではなかったり。
良い意味で、普通の人たち。
ああ、町のどこかにこんなカップルがひっそり幸せに暮らしていたらいいよね、と思うような。
一文一文が美しい
2人の出会い方が面白かったです。
コメディというかだらしがないというか、アホっぽいのです。
でも後半にゆくに連れて、だんだんと美しさが増していくためか、まったく下品に感じられない。
「星」という題材なのもありますが、一文一文が美しいです。
片方が片方を好きになったあとの態度の変化、相手のちょっとした言葉や行動を見逃さず反応する描写が細かく愛おしい。