サバ屋のblog

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【BL感想】窓の灯とおくを読んで

一穂ミチ先生の『窓の灯とおく [『街の灯ひとつ』シリーズ作] (幻冬舎ルチル文庫)』を読みました。

直接的なネタバレはありませんが、展開を匂わせる部分もあるので未読の方は本編を読むことを推奨。

 

本物の陰キャ

『街の灯とおく』のスピンオフ作品です。

『街の灯とおく』はクラスで人気者のいわゆる陽キャが主役で、この『窓の灯とおく』はまともに恋愛をしたことのない陰キャが主人公。

ただ、自分が陰キャ側のせいか、個人的にはこの『窓の灯とおく』のほうが好みでした。笑

というより、やや陰キャなのに、はっきり物を言い、偽善的じゃないキャラクターがどうにも私のツボなのかもしれません。

 

 

愛し方が良い

なにより、彼の愛し方がすごくいいなと思ったんですよね。

とにかく最後の最後まで相手の幸せを考えて、真正面から突撃しない愛し方、いわゆる脇役でいようとするところに、

今までもててこなかった、自分に自信がない

という彼の生きてきた人生がリアルに見えたというか。単純に共感できたというか。

 

『藍より甘く』のメインキャラクターである遙クンにも、そういう部分(自分から身を引くところ)がありますが、

こちらは年齢的にもすでにいい大人であるせいか、その10倍こじらせてるというか、研ぎ澄まされてます

もはや開き直っているところが面白い。

どちらも好きなキャラクターですがね。