サバ屋のblog

BL小説の感想とか日記みたいなもの

【BL感想】『バイバイ、ハックルベリー』を読んで

一穂ミチ先生のバイバイ、ハックルベリー (ディアプラス文庫)を読みました。

 

良い意味で普通のお話

良い意味で、ふつうの大学生のお話です。

『ただの学生同士』とか、『ただの親友同士』とか、シンプルな設定が好きな自分としては「待ってました」という感じでした。(あっても楽しめるんですけどね。)

 

カップリングは、陰キャ×陽キャという王道な関係。

しかし、そこまで対立しているわけではなく、基本的には仲良しで気も合う。

ただ根っこの部分、根暗・根明という感じ。

 

事件という事件は起きないのに

この著者の作品は大抵そうですが、そこまで大きな事件は起きないのに、最後まで面白かったです。

メイン2人の、大学生ならではの日常会話も楽しく読めますし、くっつくまでの相手を意識する感じ、大切に扱っているのがわかる描写にもどきどきします。

若さゆえにすれ違う部分も多いけれど、あたたかい作品。

なぜタイトルが『バイバイ、ハックルベリー』なのかという謎にも驚きました。

とくに2話収録されているうちの、1話目のラストが好きです。微笑ましい。

 

 

同じ大学生ものという点では『藍より甘く (幻冬舎ルチル文庫)』に似ていますが、そこまでシリアスではありません。

むしろあっさり系で、読み終わったときの感覚としては『ひつじの鍵 (ディアプラス文庫)』に近いです。

可愛い・あっさり・ハートフル系。

 

大学生がのんびり恋愛する物語が好きな人におすすめです。