【BL感想】『さみしさのレシピ』を読んで
一穂ミチ先生の『さみしさのレシピ (ディアプラス文庫)』を読みました。
静かで心地いい
他の作品に比べると、静かで少し重たい作品です。
重たい、とはいっても、かなり淡々と書かれているのでそこまで気張らずに読めました。
無理なテンションの上下もなく、大げさに描かれていないところに、リアリティを感じます。
そして、このテンポがひじょうに心地いい。
大きな事件で右往左往するのではなく、とりとめもないセリフのやりとりで、ふたりの心が近づいていくさまを眺めるかんじ。
ゆっくりで、繊細で、ムダな雑音がないかんじ。
なので冒頭始まった瞬間から、「ああ、好きなやつだ」と楽しんで読むことができました。
『青を抱く (フルール文庫 ブルーライン)』『アロー (幻冬舎ルチル文庫)』あたりのテンポや重さが好きな人は合うと思います。
そして、ありきたりな言葉ですが、キャラクターも魅力的です。
なんというか、とても良い味出してる不思議な人。
クールにつんけんしてるかと思えば、やさしくて寂しがりやでこどもっぽくて。